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泳ぐひと

1968年 アメリカ
監督:フランク・ペリー
原作:ジョン・チーバー
出演:バート・ランカスター、ジャニス・ルール、マージ・チャンピオン、キム・ハンター...
年代もあり、反社会的でペーソスに富んだ内容。当時の上流階級(今の日本のfakeセレブとは違い、本当に金はある)に対する激しい批判がこもっている。
「落ちぶれた中年男が、高級住宅街の友人のプールを泳ぎ繋いで家に帰る」というストーリーにまずやられて買った。それだけでルイ・マルのようだ。
ほとんどの知り合いは、男(バート・ランカスター=ジョージ・クルーニーは影響受けてそう)の頽廃や虚言をわかっていながらその場限りのフレンドリーさで迎える。しかし、その中で本当に理解してくれそうな少女や真剣に怒ってくれる元恋人もいる。それを真摯に捉えるほどの余裕は孤独な彼にはもうなく、性急に関係を発展させようとしてしまうのが痛々しい。"Come with me"、"Come with me"、"Come with me"...。病んだ精神に相反し体は見事に堂々とし贅肉がないのも、逆に痛々しい。
家に近づくにつれ雲行きも怪しくなり、ラストは土砂降り。彼は自殺するしかない状況だが、そこまで入れないのがアメリカ映画である。
冒頭、主人公が登場するシーンのカメラがクールだ。林の中を進みプールに飛び込むまでの姿を、斜め上背後から木をかき分けるようにアングルが動く。どうやって撮っているんだろう。日光がとても美しいシーンも多い。
音楽は(その時代なので)状況説明的で過多。それぞれの楽曲はラウンジーで良質である。
社会批判/新しいことをやってやろうという気概の中にもハリウッドプロデューサー的な視点が中途半端にあり、その変なバランスがサイコ感を残した。
