若者よ、カンヌへ行け!

2009.05.16 (Saturday)


トップ2人はタダで(経費全部持ってもらって)カンヌへ行けるという、oxfam社がyoutubeを使って行っている「48 HOUR AD CONTEST」、17日の真夜中まで!(日本だと月曜の朝方まで)

今年末にコペンハーゲンで行われる気候変動対策会議「COP15 Copenhagen」を盛り上げるため広告をつくろう、という企画。

この会議はかねてから僕も注目していて、ここで思い切った枠組条項が締結されない限り未来はないと思っている。
貧困国へ理解を求める、というのも大きな目的である。

以下、基本条件:
・Your video needs to be 30sec – 1min long.
・It must be solely your own original material (visual and audio). Try to think of alternatives to using music on your submission, as videos including music may be disqualified.
・Your video should be in English. If it's in another language you must use English subtitles.
・You must be aged 18 to 28 years old (born between 27 June 1980 and 21 June 1991).

不肖訳)
・30秒〜1分の長さであること
・ヴィジュアル、音声ともに応募者オリジナルの素材であること。音楽を使った作品は失格の可能性もあるので、音楽なしが好ましい。
・言語は英語で。もし他の言語の場合は、英語字幕を付けること。
・年齢制限:18〜28歳(1980.6.27〜1991.6.21生まれであること)

あとは、ロゴを最低5秒入れる、自分で広げる活動をする(バイラルCM)..等の条件もあり。

詳細は公式サイトにて。

若者よ、ポジティブな作品をつくって南仏へ行け!!

老人の懺悔

2009.05.15 (Friday)

詩人、劇作家、小説家、自然科学者、政治家、法律家、そしてドイツを代表する文豪であるゲーテ。
彼の創造の源泉の一つは、数々の女との交わりとbreak upにあったような気がする。

「俺の尻を舐めろ!」で有名な処女戯曲「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」では、自分を不実な男にマゾヒスティックに投影する。

荒野に咲く可憐な「野ばら」を是非もなく粗暴にへし折る男、の詩。
(ウェルナー、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスなど何と154ものヴァージョンがある曲の中で、Freuden(喜び)という詩の部分を最も高い音に持ってくるなど素晴らしい均衡を持つシューベルトの曲。呟きのように歌がきこえるこの詩と曲の組合せは、なぜかSF的で僕を惹き付ける。)


屈折率の違いによって七つの色光に分解され認識される(ニュートン)という「味気ない」光学を槍玉に挙げ、執筆された「色彩論」。
光と闇が作用し合いうまれる「くもり」の中で色彩は成立する、人の有機的な感覚が色の相互的な動きを捉える助けをしている、という論理は、色彩の研究というよりはむしろ人間自体の研究である。
それが、経験が少なく人の心の機敏に通じていない人の論法だとは、とても思えない。

83歳で死ぬ前年まで60年程もかかり制作された「ファウスト」には、14歳の時に恋したグレートヒェンを本名で登場させ、純で敬虔だからこそ嬰児を殺し気を狂わせる役を与えている。

ごく個人的なアフェアーを限りなく突き詰めると、広い世界に繋がっていることを体現した人生、と言っていいのではないだろうか。

アルバム裏テーマ?

2009.05.12 (Tuesday)

いつも僕のアルバムにはコンセプトがあるが、それは匿名性を求めるがためである。
別にこれを自分でなくとも、誰かがつくったものでもいいと思う。
逆説的に、そのために強烈な観念が必要なのである。
俺にしかできないこと、という思い込みは、広い世界を知れば知る程無知によるものだとわかる。
その上での尽力こそ純粋である。

その「正式」なコンセプト以外に、毎度幾つもの「裏テーマ」や「縛り」を折り重なるテクスチャーのように設けている。
聞き込まれて数年経ってから気付かれるようなものでいい。
もしくは、誰にもわかりようのないことで、いつか友人にこっそり打ち明けるようなものでもいい。

制作中のアルバムでも、つくっているうちにそれが自然と出てきた。

テンポ設定は10単位、というものだ。

92ではなくて90。
126ではなくて130。

仕事で「テンポを1上げて/2下げて」のように要求されたことがある。
かつてはsampler、今だとaudioで構築する僕のような音楽家にとって、これはとても厄介で面倒なことだ。
そして、それで音楽の本質が劇的に変わることなんて、まずない。
はっきり言って、ナンセンスである。

今時10単位でしかテンポをさわれないシーケンサーを使っていると仮定して、そのぞんさいな荒っぽさが面白い何かを引っ張り出してくれるような気もしている。(クリックなしの曲も出てくるとは思うが)
普通にきいていてもわからないのも、気に入っている。


アメリカ・ブラジル・フランス・ドイツ・国内とやりとりしながら、フランス・ガーナ・フィリピン・日本・アメリカ・チェコの曲を進行中。
整理が大変だが、苦手ではない。
まとまった時に、全体の面白さが自分でもわかりそうだ。



ミニマル at 建仁寺

関西にて小憩

2009.05.05 (Tuesday)

従弟の結婚式で京都。
でかける前夜は、大抵徹夜になってしまう。
新幹線で編集作業をしようと思ったが、思い直してPCは置いていった。


新緑の建仁寺の庭にて茫然。
としたいところだが、アルバムのことで頭はいっぱい。

どうしても歌ってほしいと思っていたNew Yorkの歌手にオファーし、いい返事がきて興奮している。
全く会ったこともなく、ただ僕がファンというだけだったけど、彼女を想定して選曲/アレンジしていることが伝わったと思う。
歌だけじゃなくストリングスも自分のバンドでやってみたい、と申し出てくれた。(目論見がなかった訳ではない。)
いいものになるよう、責任を持って仕上げたい。


ホテルオークラで宴後、宝塚の実家に。
夜遅かったけど、学の家にちょっと寄らせてもらう。
6月末に神戸でパフォーマンス公演とのこと。

翌日は、二軒隣の祖母に会いに行った後、芦屋の前田さん宅で夕方まで飲む。
向かい山の新緑斜面が絶景。
飛行機ギリギリの時間まで、心地いい3時間程はあっという間。

犬猫の保健所殺処分を減らす=飼い主モラルの向上/シェルター援助などを目的にしたチャリティーキャンペーン用の曲をまず仕上げ(メヲコラソン太郎さん、ペコンボRieちゃんも賛同して参加していただいた)、1/3に差し掛かったアルバムに戻る。

黄色い新しいヤツ

2009.04.23 (Thursday)


アルバム用に新機材を購入。

Steel Guitarは以前からほしかったが、謎の格安をネットで見付けた。
僕のトラックにめちゃくちゃハマリがいい!
全く触ったことはなかったが、弾き出して5分でレコーディングに入る。

Kaossilatorは、楽器屋の金券が余っていたから。
タッチパッドで「弾く」。
こういうインターフェイス楽器だと、生っぽい音の方が面白い。
Jazz Guitarとドラムが使えるかも。


フランス人アーティストは、うまくいかなかった。
交渉もスムーズだったが、あがってきたものがよくなかった。
色々考えたが、大御所だろうが妥協する訳にはいかなかった。
ネットでのやりとりなので、そういうロスは仕方ない部分ではある。

別曲をブラジル人アーティストへオファー中。
また別曲をアメリカ人アーティストへお願いするため、制作中。
もちろん日本人ともやる。アフリカ人とも。ロシアや北欧の人とも。

夢のあるアルバムにしたい。
まだまだ漕ぎ始めである。

The Chaser

2009.04.22 (Wednesday)

試写にて拝見。

残酷な描写がキツイとはきいていたが、歯を食いしばりすぎて顎が痛くなる程だった。
痛くて心理的にもイヤな感じと、感情表現が過剰すぎてどこかファニーな感じの同居は韓国映画ならではだ。

西洋映画のスプラッター描写は復讐される恐怖感から来ているのに対し、韓国映画のそれは侵害への怒りがオリジンになっているように思う。
普通の映画では飛ばされそうな描写や展開が、覆い隠されない。そこを見せないといけないのに飛ばして(そうならないで)どうするんだ!という憤慨を感じる。

さらに、いくら異常な状況の映画でも「島」のように観客がそこを拠り所に安心して俯瞰できる人物が居るのが通常だが(コーエン兄弟作品のフランシス・マクドーマンド然り)、この映画では後半までそれが居ない。
キム・ユンソク演じるデリヘル経営の元刑事(デリヘル嬢の携帯の登録名:ゴミ)が、被害者の子供の行動や涙で「改心」するまでは。
そのギャップある変化に、観客はダイナミックに心を揺り動かされ、一気に扇動される。客席から拳をあげて応援したくなる。まるで、韓国のサッカーの応援のように。

この振り切ったパワーのアジテーションは、世界のどこの映画でも真似できないものがある。

配役も全員最高にハマっていた。刑事の男女コンビなど。
キム・ユンソクは、後半痩せてきている気がした(笑)。ハードな撮影を確信させる。

食欲はなくなるので食前はお薦めしないが、カンヌで特別招待されディカプリオがハリウッドリメイクする予定(多分この独特のアジりは無くなると思う)のクオリティーを確かめに行ってほしい。

5/1より全国公開。

break the rules!

2009.04.18 (Saturday)


昨夜ザ・ペニンシュラ東京でのイベントは、500人の人出。


様々なヒントは他分野にあり。
僕は大卒後、公共建設物の意匠設計の仕事を1年だけしたが、いまだに建築には大いに興味がある。
既成概念を壊せ!


古くなった機材(航空業界の人は飛行機のことをそう呼ぶよね)でできたコスタリカのホテル


子供時代キッチンに登って怒られた人も多いはず。堂々と登ろう。スペースも節約できる。

inhabitatより

Tokyo FM、M-Swift、瀟洒な桜

2009.04.08 (Wednesday)

ソロアルバム作業を中断し、60代の格好いい「大物」シンガーへ制作中。

今日はそれも中断し、Tokyo FMにてイベントの告知番組収録。

TOKYO FM SKY PARTY
date: 2009.4.17 (fri) 22:00-26:00
at: the PENINSULA TOKYO, 24F, Peter
出演: 中塚武、安田寿之、M-Swift, viaèclo

M-Swiftこと松下昇平さんと出演。
戻り場所が近く、軽くお茶。
のつもりが、音楽家話に花が咲き1時間以上もテラス席。


花が咲くと言えば、ご多分に漏れず桜の写真。
近所のお宅の瀟洒な桜。
紅白が混じっているが、背も低くヴォリュームもないのでうるさくない。
一緒に植わっている竹で締まって見える。

華やかだけど控えめ。
すなわち、女性の好みである。

次作制作開始、星憲一朗、sakai asuka

2009.04.04 (Saturday)


次作アルバム、メーカーとエージェントとの下準備を十分にやってきたが、具体化作業1曲目開始。

仕事ではありえないけど、もう10日かかっているがまだアレンジが完成しない。
「お題」のあるコンセプチュアルな作品になるが、自分で完全に企画している作品と違い全体像が自分でもまだ見えていない。鍵盤に突っ伏して寝入る毎日。
プレッシャーもあるが要らぬことを考えなくてもいい環境が今回はあり、狙わず素直にやりたいように進める。独特なものとは、特異なものでも派手なものでもなく、ただありのまま客観化したものだ。

この曲は、フランス人アーティストにオファー予定。
アルバムも、世界中のヴォーカリストにnative languageで歌ってもらう予定。違う言語で歌うということは、違う楽器に持ち替える位大きなことで、説得力も全く違ってくる。


渋響の余韻はすごかった。

イベント自体のパワー、渋温泉のパワー、金具屋や臨仙閣など建物のパワー。
どこかから東京に戻って街や家の写真は撮らないものだが、今回はなぜか撮りたくなった。あえて確認せずにはいられなかったようだ。


the moon is constant everywhere


found my home

金具屋がモデルになった映画「千と千尋の神隠し」は、そんなずれた世界にトリップする話だったと後から気付いた。

親友の星憲一朗は、自分で面倒なことをして切り開く力を持ったすごい男だと、改めて思った。前例モデルもない中、マーケティングに強要されたものではなく、一次情報で体感する場所をつくるコンセプト。


一昨日のslow comedy factoryでのトークイベント(写真:高橋雅人さん)も、一見彼の中で離れているように見えることが統合される興味深い内容だった。
インディーともオルタナとも少し違う次男的な人物がつくってきた日本の都会の面白い文化、G20で複数の国際機関を後ろ盾にロシアが提案した新たな準備通貨が無視されたこと、アメリカ解体、ノマドロジー...

星さんが見てくれている僕は、他の人とは少し違う気がする。もっと言うと、僕自身でも気付いていない部分を見てくれているような気がする。次作か次々作か、星憲一朗プロデュースで1枚つくらせてもらいたい。



sakai asukaという女性アーティストのCDを買った。

近所のたまに行くパン屋で!(魔法のかかった旨さ)

男性ヴォーカリストをフィーチャーして裏方に徹するというのも、女性としては面白い。

フォーマットに沿ったもので構造的に革新的な訳ではないが、その中で強固なものをつくるポリシーに共感する。珍奇なストラクチャーというのは、意外に簡単なものである。人間が地面から少ししかジャンプできないように、様式から少しでも飛び出ることには大きな労力が必要である。このことをちゃんと認識している作品は、とても気持ちいい。

疾走感の中にふと静止した視線のようなものも感じる。それを女性的というのかわからないが、僕が「GIRLS (Soundtracks for Digi+Kishin Vol.1)」で掻き集めた像とは少し違う。僕が女性のことを多くわかっていないだけである。

「Around The World」という曲が、頭から離れない。

スラムドッグ$ミリオネア

2009.03.26 (Thursday)

ベースが音楽を決める、と言っても過言ではない。
ジャンルを決める半分位の要素は、その楽器が担っている。
明確なベースラインは、きく人に「ああ、この感じ」と、その音楽の方向性をクリアに示し安心感を与える。
それと引き替えに色んなファクターを限定してしまい、その音楽が持っていたかもしれない潜在的な可能性を失う犠牲を伴う。

ざっくり言うと、ポピュラー音楽にはベースが明確にあり、所謂エスニック音楽にはそれが希薄である。
後者の不安定感や不慣れ感は同時に刺激や自由に繋がっていて、爽快感に昇華することもある。

この映画の音楽をききながら、そんなことを考えた。
それは映画全体にもリンクしていて、ストーリーは早めにわかっても展開が読めないところがあって、最後まで飽きさせなかった。

人生に無駄なことはない。
プレイスレスだからこそ大金博打を軸にしているのが、逆説的で面白い。

スラムの貧困や不潔さは、いくつも濾過フィルターがかかっているように見えて強烈さはなかった。

「It's written」の訳は「運命だから」となっていた。
とてもインド的な表現だ。
補足すると、「It's written (on the Akashic Records)」ということになるのだろう。

4/18公開
スカッとリフレッシュしたい人はぜひ!


試写させていただいたGAGA社より。東京ミッドタウン34F。
Gerry Mulliganが似合いそうなスモーキーな夜景。